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共感を意識したデザインについてドーナツで考えてみた

共感を意識したデザインについてドーナツで考えてみた

モノに対する価値観やデザインの好みは人それぞれ様々あります。

先日、ニュースで新幹線などの部品販売に鉄道ファンが1000人近く集まったという内容のものを見ました。6年ぶりの開催となったイベントで初代の新幹線など引退した鉄道のドアや客室用の座席、何かしらのプレート、ライトなど車両部品を販売したとのこと。

引退した鉄道であることから実際に走行している姿はもう見られないことや、なかなか世の中に数が出ないモノとしての価値、自分の思い入れのある車両であることからの愛着や思い入れなどあることからそういった部品(廃棄物)が人によってはお宝のように見えるファン心理も分からないこともないですが、ちょっと私は欲しいとは思わない。(笑)

というように同じモノを見ていても人それぞれ価値観には何かしら補正がかかっているようにも思うのです。

 

世代や性別、地域性(土地柄)などの環境(生活環境も含む)や趣味趣向、情報に対する感度(流行り、世の中的な動き)、意識的な要因(本当は好きなんだけど人と一緒が嫌、流行ってるから嫌であったり、またその逆であったり)というようなこともあるでしょう。

人の性格や考え方が様々あるようにデザインの好みも人それぞれあるように思います。デザインはもちろん見た目だけで成立してるわけではないので、使用感(使いやすさ、愛着)が重要であったり、使い方の分かりやすさ、伝わりやすさというようなものなども含まれてきます。

年齢を重ねることで良く思えてくるようなデザインに対する変化や、反対に昔好きだったモノが今の年齢では合わない、取り入れられないというようにデザインに対する感覚も変わるようなものでもあるように思います。流行や社会的な流によって、これまで良いとされるものも変化もするように思います。最先端のデザインもあれば昔から変わらないけど良いデザインというものも比べるのもでもないかもしれませんがそれぞれの良さがあります。

 

モノに対して人はどう価値を見出させるのか。デザインを考える側としてどういう状態で世の中や人に寄り添わせそれを送り出せるかを考えていくのですが、クライアントが変われば作るものそのものも、それを伝えたい、届けたいという相手も変わります。意識するポイントや狙い、アプローチの仕方ももちろん変わっていきます。

 

前置きが長くなりましたが今回は、共感を意識したデザインについて考えてみたいと思います。

ポジティブなデザインといいますか、提案するデザインが1人でも多くの方に良く思ってもらいたいですし利用してもらいたい。長く使用してもらえるようなデザインであれば当然のことですが嬉しいですし、それはクライアントのためでもあります。先に共感できるデザインについての結論を言いますと、万人ウケするデザインを考えることはとても難しいことだと考えています。

ここではどのようなデザインであればこういう人には共感してくれるのではないか?というような状況と対象とする人との共感度合いを少しでも高められるような工夫を前提として、私なりに考えていることや意識していることを少しだけまとめてみたいと思います。もちろんクライアントの立場になることを基本とし、デザインを進めていく上で私が行っているアプローチ方法のようなものから少し書き出してみたいと思います。

 

アプローチ方法(目次)として

・スーパーノーマルについて
・ハイパーコピーから生まれるデザインについて
・すごい違和感をつくるアプローチについて
・まとめ

というような項目で書き進めてみたいと思います。

 

スーパーノーマルなデザインについて

ごくごく自然な状態を意図的に作るようなデザインとして私が提案するアプローチの中の1つ。新たにデザインをすることでもちろん新しく生まれるモノではありますが、ずっとそこに存在してたかのような状態をここ最近、個人的には良いデザインとしての1つの回答なのかもしれないと感じています。寄り添うようなデザインといような表現がピンとくるように思います。らしさってとても重要なのではないかと感じております。

例えば、クライアント側の事業が長く続いているような場合、歴史のある場合には、世の中的なイメージといいますか、すでに認知をされ、何かしらの印象というものが人それぞれの中に出来上がっているように思います。この会社といえばコレというようなもの、その会社の顔のようなものです。その会社っぽいデザインとは何か、どのような経緯で今に至るのかを意識するというような考え方でこれまでのイメージを出来るだけ壊さないことを前提に、その上で新たな価値を生み出すような工夫を加えるような意識でいます。この考えの良い点としてこれまで積み重ねてきた時間、その中で生まれたモノやコト、世の中的な印象やイメージにさらに厚みを作ることができるように思います。商品を新たに販売される場合にはブランドとしてのまとまりを作るようなアプローチとして、これまでの蓄積を強みとして捉え、それを利用すべきだと思うからです。

完全に別の路線での展開を考えている場合や、イメージそのものを変えていきたいといった依頼の場合にはこのアプローチは少し難しいとは思うのですが、そうすることでのメリットとデメリットとを比較した上での選択肢の1つとして提案することもあります。何か問題がある場合や、現状に満足していないなどからの変化に期待してのことだとは思うのですが、まずはどこが問題なのかを検討した上で判断するようなワンクッションや、一呼吸置いてからどのようなアプローチが良いのかを判断します。

安易に新しいものを作ってもこれまで好きでその商品を利用してきた方をがっかりさせることは誰も得をしないですし、残念な結果になってしまう場合もあります。これまでのファンの方に対してはそのままに、より気に入ってもらえるように。さらには新たなファンとなってもらえる方が増えるような方法はないかと考えます。らしさを追求することで生まれる無理のないもの、自然なもの、そうした考えで生まれる新しい何かであって欲しいと思います。

 

ハイパーコピーから生まれるデザインについて

先に言っておくと他の何かを模倣するという意味ではなく、限りなく対象とした物事に近い考え方でデザイン的なアプローチを行うというような意味です。

これは先ほどのスーパーノーマルの考え方と共通する部分も多く、より具体的なアプローチの方法として考えています。例えばこれまでいくつもの商品を作られてこられたような場合、新たな商品展開やそのリニューアル、ブランドの別路線として展開、2号店や3号店というようなカタチでの店舗展開などというような、すでに何かが良い状態で動いている、生まれている状況があることを前提に、その上で新たな何かを生み出そうとしているような場合に意識するアプローチの1つです。

対象となるモノやコトがあったとして、それがそうなっている状態はいったい何故なのか?何がそうさせているのか?それを構成しているパーツにまで分解するような、元となっているコンセプトを探っていくように出来上がったデザインからその過程を逆再生をするようなイメージです。そのモノやコトをそうさせている理由は何なのか、何を重要としてどういったアプローチでそのデザインになったのかを私なりにですが探り、重要なことかどうかを客観的に判断し、取り入れるべきなら取り入れるといった考え方です。

ここでもスーパーノーマルの考え方と共通して、完全に路線を変えたい場合やイメージそのものを変えたいといった場合には不向きなアプローチとなるように思います。

この考えでの良い点としてすでに認知されているような状況があることを前提に、そのメーカーやブランドの商品、またはその店舗の姉妹店などであることの分かりやすさはこれまでの経験や体験からくる信頼感や、知ってることでの安心感も得られるれるように思います。

そこのモノだという分かりやすさや伝わりやすさという部分を残しつつ、その上で新たな商品であればその商品らしさを追求し、別路線のブランドや店舗展開であれば独自の色を出していく、足していくようなアプローチです。またこの場合には事前にどういった方を意識しているモノやコトなのか、どのような対象でどのぐらいの共感を得ているのかという反応や、その結果を知ることが出来るようにも思います。そこに上乗せするのが良いのか(共通の対象であるのか)、または別のアプローチをした方が良いのかを判断します。新たにどのような対象を意識するかによって力加減を変えたり、アプローチ方法を変えたりというような調整が出来るように思います。

 

すごい違和感というアプローチについて

上記の2つに対して真逆なアプローチとして、これまで進めてきたコトや生まれたモノを一新する、一度壊すようなこととして、これまでと全く違うような角度からのアプローチをする事が結果的に良い場合もあるように思います。先ほどまでのものへの対案というようなアプローチになります。

これまでの状況を変えたい、新しいモノやコトを作りたいというという場合には何か現状に不満がある、考えていたような状況や結果ではないというような、上手くいっていない、満足できていないというような状況や状態である場合が多いように思います。

良いなと感じるコンセプトから生まれたモノやコトであるのに、それを上手く伝えきれていない、思っていた反応がないという場合には完全にゼロからのスタートというよりも状況を一度整理し、見直した上での新たなアプローチのきっかけとし、これまでの物事もちゃんと活かしつつ結果も出したいと考えます。新たなファン層を意識して良い結果をつくりたい、新たな一面としての可能性を追求したい反面、やはりこれまでのファンの方もちゃんと意識すること、大切にすることも忘れてはいけないと思います。

コンセプトが無くどこか弱いような状態、ブレちゃいけない芯のようなものも無いように感じるような場合には私と一緒に0から考えてみましょう。(笑)

 

上手くいっている状況、さらには結果もちゃんと出ているのにそれを変えたいという場合もあります。これは今以上の効果や可能性に期待したとても積極的な姿勢かと思います。

良くないものを良くすることは比較的効果を出しやすいように思います。良い状態をより良くすることが普通に考えて難しいのことのように思います。というように新たに何か考える場合にも、状況や状態が様々あり、それに対してのアプローチ方法も様々で、そこには多くの可能性も含んでいるようにも思います。こういった場合に考える私のアプローチ方法の中の1つに、”すごい違和感というアプローチ”というものがあります。

 

例えばですが、ドーナツがあるとします。

ベーシックとなるプレーン、そこからの味の展開としてチョコレートやバナナ、ストロベリー、洋から和への展開として抹茶、きな粉、黒蜜。それらの中で味の組み合わせの可能なモノ(組み合わせ)。サイズ感や形状を変えたり、素材や食感にこだわったり、セットにしたりとごくごく一般的なものとしてありそうなドーナツのバリエーションやその展開だと思うのですが、ここに新商品としてアラビアータやペペロンチーノ、ジェノベーゼ、ボロネーゼという新たな展開を考えたとします。

そう、パスタっ!  (*´人`*)

 

適当にドーナツの味として個人的に無理かなと思う味を考えて見たのですが意外といけそう?(笑)

むしろドーナツのカタチをしたパスタでも、ドーナツ感覚でより手軽に(手づかみで)食べられるパスタみたいなものでも良いんじゃないか?というようなモノやコトの違和感を効果的に取り入れられないか。あえて逆張りをするようなきっかけから何か新たな価値や現状を変えるようなきっかけを生み出せないかというようなアプローチです。

ドーナツのテイクアウトのようなカタチでパスタをテイクアウトできる。半透明なドーナツ型の容器でいろんな味のパスタを少量ずつ購入することが出来るというような、ドーナツではなくもはやパスタというようなアプローチでも可能性があるかもしれない。単にドーナツとしての味の展開でも、ドーナツとそれ以外というような食べ合わせでも、ドーナツの手軽さや食事という行為でも、その変化には一定数ピッタリとはまる方、ファンとなってくれる方はいるように思います。そのピタッとはまる方に向けてどのようなアプローチが可能か、現状を基本としてそこからどういった関係をつくれるか、期待できるか、考えていけるかというような話です。

何が言いたいかというと、前提として普通な状態や状況がある場合や、それが普通だというような世の中的な基準や認識、常識と言われているものがあるような場合、それを基準とした上での違和感を取り入れるというような伝え方や見せ方は1つのアプローチとして効果的だと考えています。ドーナツの話しではそれを極端に表現しようとしたもので、前提としていたものが少し変わっただけでもより注目されたり目立ったり、印象に残ったり、噂になったりもするようにも思います。そうなることが良いというわけでなく1つのアプローチとして現状を変えるような可能性として、さらなる厚みや幅をつくることの出来るように思います。

 

まとめ?

デザイナーの仕事は世の中的にはただデザインをする、カタチにするというような印象かもしれませんが仕組みづくりのようなことも含まれてきます。依頼時に、こうなったらいいなという想いのみで具体的に何を作りたいのか(作るべきなのか)や、どうしたいというものがない状態から始まる仕事もあるのです。

デザインとは、こうなったらいいなを一緒に考えていきカタチにしていく仕事です。何をつくるのが良いのか、考えるのが良いのか、そういった段階から関われることも私は嬉しく思います。

デザインは最終的には人の生活に、その状況や環境に関わっていく仕事だと考えています。これを利用するのはどんな人なのか?それはこういう人でこういう状況で使用してくれたらいいなを想像します。

それはどんな見られ方や置かれ方をするんだろう?

それはどのような場所で販売されてるものなのか?

どのように見つけてもらい、利用や購入をされるのだろうか?そう考えると、こんな見た目だと合いそうだな?大きさはこれぐらい?いや、逆にこんなこともできるよね?であれば使い方はどうなるかな?手触りはこうで。、でも予算もあるよねというような、様々な状況に当てはめ調整をしていくような仕事です。そこに寄り添うデザインはどういったものであるとより良いのかを考えていく仕事です。

 

今回、共感を意識したデザインについてを改めて考えてみたのですが、クライアントの事業や商品、ブランドのことを好きになってもらうため、一番遠く離れた場所にいるであろう方にファンとなってもらうためにはどうすれば良いかを私自身とても意識しているように感じました。(今回の内容は多分無意識にやっていることです)仕事で関わることで私自身もそのファンになるような感覚で相手の立場になって考えていきます。どれだけファンとなり自分事に出来るか、ファンの代表として考えていくというようなアプローチ方法かもしれません。(笑)

ちょっと良いな、なんか良いな、だんだんと良くなってきたよね、ずっと良いよね。というようにファン心理も様々あるかと思います。

デザインはそういった結びつきをできるだけ多くつくること。それがより強く、より大切なものになるようなものであってほしいと考えています。

広島のデザイン事務所 greenpoint design|店舗デザイン / グラフィック / Webデザイン
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