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Local project / Hiroshima, Akiota

津浪で暮らし、
地域とつくる。

安芸太田町地域おこし協力隊として活動した3年間。
暮らしとともにあった地域との関わりと、
交流拠点を形にしていく取り組み。

01 / Background

仕事の場所であり、
暮らしの場所でもある。

広島県安芸太田町の津浪。地域おこし協力隊として、この地域で暮らしながら3年間の活動に取り組みました。

その取り組みのひとつが、交流拠点「PLATFORM TSUNAMI」のリブランディングです。地域の人とともに、これからの地域や拠点のあり方を考え、コンセプトから具体的なデザインへつないでいきました。

移住を考え、広島県内外の候補地を探す中で知ったのが、地域おこし協力隊の制度でした。行政や地域との関わりを持ちながら暮らし始められることに魅力を感じ、応募しました。

当初希望していた道の駅への募集はすでに終了していましたが、役場から紹介されたのが、地域の交流施設を軸にした地域振興のミッションでした。

2023年7月に引っ越し、8月から活動を開始。地域の皆さんが住まいとなる空き物件を手配し、残置物の撤去から引っ越しまで、大勢で手伝ってくださいました。温かく迎えていただいたことは、今も嬉しい思い出として残っています。

FIELD
広島県安芸太田町 津浪
CONTEXT
2023年8月から、地域おこし協力隊として活動
PROJECT
交流拠点のリブランディング

02 / PLATFORM TSUNAMI

地域の人と考える、
交流拠点のこれから。

役場から地域へ配属された地域おこし協力隊として関わった、PLATFORM TSUNAMIのブランディング事業。

コンセプト、空間、サイン、ロゴ、商品。それぞれの表現を通じて、地域の拠点づくりに取り組みました。

施設のもとになったのは、廃線となった津浪駅の跡地です。「ぷらっとホームつなみ」という名前には、駅のプラットフォーム、地域の基盤、そして「ぷらっと気軽に訪れてほしい」という意味が込められています。

地域の人たちが手づくりで育ててきた施設には、親しみのある接客という大きな魅力がありました。一方で、店内やユニフォームなどの見え方には、さまざまなテイストが混在していました。

親しみは、そのままに。
それを支えるデザインを整える。

目指したのは、人と人との距離の近さを変えることではありません。その親しみを施設の魅力として残しながら、空間や制作物の表現を整え、訪れる人に価値が伝わる形へつなぐことでした。

駅のように、
さまざまな人を迎える場所へ。

日頃から施設を利用する方を大切にしながら、サイクリングやツーリング、キャンプや登山などで町を訪れる方にも、自然に立ち寄ってもらえる場所にしたい。そのために、和風に寄っていた印象に洋の要素も加え、特定の世代や過ごし方に限定されない、ニュートラルな見え方を検討しました。

飲食や買い物の場所としてだけでなく、津浪を訪れる経由地や目的地に。かつての駅のように、多くの人を広く受け入れ、新しい活動にも柔軟に関われる拠点を目指した考え方です。

施設のリブランディングを通じて、地域に関わる人を増やす。ひとつの地域から、町全体の価値を高めていくことを目指しました。

PLATFORM TSUNAMIの縦長の施設サインと、その奥にある交流施設の建物
PLATFORM TSUNAMI / 施設サインと交流施設の建物

Sign design

風景の中に、拠点の目印を。

看板は、あえて情報量を減らし、色味を抑えたモノトーンの表現へ。施設名とシンボルマークを中心に据え、周囲の看板とは異なる見え方をつくりました。

当時の提案で目指したのは、「何があるのだろう」と興味を持ち、訪れてもらうきっかけをつくること。地域の方には新しい取り組みの始まりとして、初めて津浪を訪れる方には気になる拠点として届く、明確な変化を考えました。

03 / Identity & Design

ひとつの拠点の考えを、
さまざまな形へ。

施設を示すサインから、身につけるアイテムまで。ロゴを軸に展開したデザインを、写真で紹介します。

01 — LOGO

「ぷらっと」を、
人と地域をつなぐシンボルに。

「ぷらっとホームつなみ」という名前には、旧津浪駅を受け継ぐ地域の記憶と、気軽に訪れてほしいという想いがあります。その名前を残しながら、これまで施設を利用していなかった方にも親しみを感じてもらえる、コミュニケーションのきっかけとなるロゴを考えました。

シンボルマークは、ひらがなの「ぷらっと」を組み合わせたもの。丸山周辺にある津浪の集落をひとつのまとまりとして捉え、人々の団結や結束、さまざまな想いが集まる姿を重ねています。同時に、文字が買い物袋に詰め込まれたような、楽しい印象を込めました。

ひらがなの親しみと、欧文の「PLATFORM TSUNAMI」を組み合わせ、カジュアルでシンプルな表現に。食事や買い物に、誰もが「ぷらっと」立ち寄れる拠点を目指したデザインです。

PLATFORM TSUNAMIのロゴを配したパーカー、Tシャツ、キャップ

02 — APPAREL

身につけるものへ。

パーカー、Tシャツ、キャップへ、ロゴの表現を展開。黒と白を基調に、シンボルマークと欧文ロゴの組み合わせをアイテムごとに変えています。

パーカーと黒いTシャツの背面にはマークを大きく配し、キャップには欧文ロゴを小さく配置。白いTシャツでは文字を主役にしています。同じロゴでも、大きさや配置によって見え方に変化をつけた展開です。

地域で働く人の日常に。

制作したユニフォームは、施設のスタッフが日々の仕事で着用しています。店内での仕事やエプロンと組み合わせた姿にも、共通のシンボルが見られます。制作物としてのロゴが、人が集まる場所の日常へとつながっています。

店内でPLATFORM TSUNAMIのロゴ入りTシャツを着用するスタッフの後ろ姿
売り場で着用するTシャツ。背面にシンボルマークと施設名を配置。
ロゴ入りTシャツにエプロンを重ね、施設内の椅子に座るスタッフ
エプロンと組み合わせたユニフォーム。日々の仕事の中での着用風景。
津浪の文字とPLATFORM TSUNAMIのロゴを配した、紙の切符型ショップカード

03 — SHOP CARD

駅の記憶を、
持ち帰れる一枚に。

旧津浪駅の切符を思わせる、紙のショップカード。「津浪」の文字や数字、矢印にロゴを重ね、駅だった場所の記憶を、手に取れる小さなデザインへつなげています。

当初の構想は、訪れた記念として手元に残り、その後も地域の情報に触れられるツールをつくること。SNSやホームページへの案内に加え、食券としての活用も提案していました。

制作したショップカードは25 × 55mm。茶系の紙に黒の文字と赤いマークを配し、裏面にはInstagramへのQRコードと案内を掲載しています。農産野菜の入荷やイベントなど、施設を離れた後も情報にアクセスできる接点です。

この先に追加できる内容空間の写真、その他の商品・制作物、協働した方々と担当範囲。写真がそろった項目から、この章を広げていきます。

04 / Life & Local activities

拠点づくりの背景にある、
地域での3年間。

PLATFORM TSUNAMIへの取り組みは、津浪で暮らし、地域おこし協力隊として活動した時間の中にあります。制作物の背景には、地域の皆さんと日々の仕事をともにしながら築いた関係があります。

交流施設は地域の振興会が運営し、地域住民の協力によって支えられていました。高齢の方も多く、まずは日常の業務を支えるところから関わりました。

野菜の集荷、レジ打ち、週末の屋台で焼き鳥を焼くこと。地域の行事にも参加しながら、暮らしと活動の両方で接点を重ねていきました。

同じ地域に住み、日々の仕事を一緒にする。その積み重ねが、早い段階から地域とのつながりを深めるきっかけになりました。

袋詰めされた野菜をかごに入れて積んだ車内
野菜を積んだ車内。集荷に関わる日常の一場面。

野菜の集荷から、地域と関わる。

施設の運営を支える仕事のひとつが、野菜の集荷でした。売り場に並ぶまでの仕事にも関わりながら、地域の暮らしと施設のつながりに触れていきました。

網の上で焼かれる串に刺した鶏肉
屋台での焼き物。日常の運営にも関わりました。

店頭に立ち、一緒に働く。

週末には屋台のスタッフとして焼き鳥を焼くことも。レジ打ちや日々の業務とともに、地域の皆さんと仕事を重ねる時間が、関係を築く接点となりました。

提灯とやぐらを背景に、網の上で焼かれるトウモロコシ
地域行事の風景。提灯の下で焼かれるトウモロコシ。

施設の外にも続く、地域との時間。

施設での仕事に加え、地域行事にも参加しました。同じ地域で暮らし、仕事や行事で顔を合わせる。その積み重ねも、津浪での活動の一部です。

ロゴ入りTシャツのスタッフと、車の荷台にいるヤギ
ユニフォーム姿のスタッフとヤギ。施設の屋外での一場面。

日常の風景にも、拠点のシンボルを。

スタッフが身につけるロゴは、店内だけでなく屋外の何気ない場面にも。看板や制作物と同じシンボルが、人の姿を通して施設の風景に加わっています。

05 / Looking ahead

3年間を経て、
その先へ。

地域で暮らすことと、デザインの仕事。この取り組みを通じて考えたことを、これからの活動につなげていきます。

活動を終える頃には、地域の皆さんによる従来の運営体制で続けることが難しくなりました。新たな運営者を迎え、規模を縮小しながら、施設は現在も続いています。

ここに記録しているのは、地域おこし協力隊として関わった期間の取り組みです。