Works / Branding design
宮島ユナイテッドFCのブランディングは、クラブ名称変更という大きな節目にあたり、理念の再整理からスタートしました。単なるロゴ制作ではなく、「どのような存在として地域に立つのか」という問いから設計を行っています。
ブランドコンセプトとして掲げたのはUNITE BEYOND(共に、境界を越える) という言葉です。
宮島という土地を象徴する存在である鳥居は、神と人、日常と神聖を分ける“結界”であると同時に、その先へ進むための“門”でもあります。鳥居を越えるという行為は、単なる移動ではなく、敬意や祈り、そして挑戦への覚悟を伴う精神的な通過儀礼とも捉えられます。
当初は鳥居を直接的にモチーフとして扱う案も検討しましたが、最終的にはその形状をそのまま描くのではなく、「境界」「通過」「越境」という概念を抽象化する方向へと舵を切りました。地域の象徴を消費的に扱うのではなく、意味を再解釈し、クラブ独自の文脈へ昇華することを意識しました。
ロゴは「ミニマル × 動きのある構成」をベースとし、宮島の象徴性を抽象的に融合させています。
中央を貫く一本のラインは、越えるべき境界であり、進む道であり、内に灯る意志の象徴です。余白や構造の関係性によって、“門”としての緊張感と、その先へ開かれる未来を表現しています。
また、炎を直接描くのではなく、「光のゆらぎ」や「導きの光」として再構成しました。宮島レッドは、弥山に灯り続ける「消えずの火」の精神に重ね、祈りと誓いを内包する“赤い光”として位置づけています。
形状設計においては、日本で古くから親しまれてきた白銀比(1:√2)をベースに構成しています。黄金比ではなく白銀比を採用したのは、和の感覚や静かな緊張感を保ちながら、現代的なミニマルさと両立させるためです。結果として、アルファベットの「M」にも見え、部分的に「U」を感じさせる構造を持つデザインとなっています。
検討段階では、光の要素を強めた案や、よりUの形状を明確にした案など複数の方向性を模索しました。しかし、視認性や力強さ、媒体展開時の汎用性を総合的に検証した結果、構造の強度と象徴性のバランスを重視した現在の形に至っています。
ユニフォームやアパレル展開も前提とした設計であり、SNSアイコンやアプリ表示、グッズ、サイン展開まで想定したスケーラビリティを持たせています。ロゴ単体で完結するのではなく、ブランドシステムとして機能することを目指しました。
「Perfect? No. It’s sacred.」
この言葉が示すのは、完成ではなく“進化の途中であること”への肯定です。宮島ユナイテッドは、地域とともに成長し続けるクラブであり、その過程そのものを尊いものと捉えています。
ロゴは完成された答えではなく、越えることを選び続ける姿勢を可視化したシンボルです。
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