誰のためにデザインをしているかを忘れないための話し
誰のためにデザインをしているかを忘れないための話しこの進めているデザインっていったい誰のためなの?
仕事をする上でいつもそんな自問自答をよくしているように思います。様々な業種のクライアントさんとの毎回初めての案件というように相手や作るもの、目指すべき目標や目的が異なると考え方も進め方も、もちろん仕上がりも変わってきます。この案件ならこうすれば良いというような明確なフォーマットがないというのがデザインの仕事かと思います。
今日は私のデザインを進めていく上で思う、”顔も名前も知らないあなた”という自分の中に作る設定というような話をしてみたいと思います。決まったフォーマットがないというのはそうなのですが、自分の中のルールみたいなものやポリシーはちゃんとありますのでそういった内容になるかと思います。
その仕事、誰のためにデザインをしているのか
デザイナーに仕事を頼むと好き勝手にデザインをされる。そのデザイナーの好みになってしまうのではないか?というような不安をお持ちの方もいるかもしれません。
そのようにデザイナーとで行う仕事については思われている方もいるかと考えております。
そういったデザイナーももちろんいるとは思いますし、そういったデザインをお求めの場合もあります。デザイナーによって得意不得意や好き嫌いというようなデザインのテイストみたいなものは自然と出てくるとは思うのですが、私については好き勝手をするタイプではなく、まずはその案件を自分ごとにすること、クライアントさんと一緒になってその案件に取り組むことに重きを置いています。
意見をお互いに出し合いながらデザインで一つ一つ問題を解決していくこと、相手の良さを引き出し、そこに自分が関わることでの価値が少しでも加えられることでの現状以上の効果を導き出そうと進めていきます。
誰のためのデザインと言われたらクライアントのためというのはもちろんなのですが、一緒なって作り上げたデザインが生み出す関係として、その先いる方々へのためにもデザインしているように思います。
それが私の仕事に対するやりがいみたいな部分でもあります。
まずはそのデザインをクライアントさんにしっかりと使っていただける使えるデザインと、そのデザインを通じて人や場所、商品等のファンにってもらうにはどうすればいいか?というようなことを考えます。デザインでの関わり方を例えるなら料理の味を決めるスパイスのようなものかと思います。料理は素材や見た目も大事ですが味のまとまりや食べながらの会話、雰囲気みたいな状況や環境も含めて大事です。
ファンになってもらうためのファンになること
どうしたらファンになってもらえるか?
まずは作る側のクライアントさんが、デザイナーがそのもののファンになることが大切なんじゃないかなと考えます。
例えば商品を作る、デザインをする場合には試行錯誤をして商品そのものの価値をつくり、高めます。様々な困難や悩み、苦労、また思い入れ等がそこにはあるかと思います。その商品が出来上がるまでの背景というような実際には見えにくい、分からないというような部分にも商品の魅力の一部としてあるように思います。もちろん見せなくてもいい部分もあるかと思うのですが、その商品がなぜこのようなカタチで出来上がったのか?ここで自信を持って言えることは何なのかをデザインを通じて語ってもらいたい。
それをしっかりと伝えるため、繋ぐためのデザインをする。デザインの可能性として何ができるのか考えていきます。ファンになるという度合いで見えてくること、知ること、伝えたいことは増えていくように思います。
少しでもその魅力を正しく伝えるため、そのお手伝いとしてデザインしていくこと。
これを忘れず、ちゃんと踏まえ、関わる人と楽しみながら誰のための仕事なのかを考えていくこと。