
宮島を意識した6角形の半屋外什器なお仕事
昨日は、焼がきのはやしさんの店舗什器の確認に熊野へ。
6角形の高さの異なるボックスを積み重ね、またその組み合わせで高さ調節のできる陳列台を考えました。仕上げ面には木目調の薄い化粧フィルムを巻きつけ、木口はフィルムより少し厚みと強度のあるメラミンテープを組み合わせてみました。
ほぼほぼ仕上がり、問題もなさそう。綺麗な仕上がりでニヤニヤしてます。跳び箱みたいな什器ですね。
このお仕事は昨年から進めているもので、1年ぐらい時間をかけて考えてきたお仕事になります。デザインを悩んでたというよりも、実際にこの台を作ることで私の方がしっくりときていない部分があったように思います。
以前、お話ししたかもしれませんが、この台は店頭でお土産物を陳列するための台として、現状では大きな酒樽を2つ積み重ねて販売をされているのですが、破損や変形、汚れやすさ、重さなどの使いにくさはある反面、樽の良さもあると感じていて、作るのではなく樽を活かすような方法はないか、デザインして制作するのではなく何か代用できるものはないかというところでも悩んでいました。
歴史のあるお店の印象を安易に変えてしまうことになるのではないかという部分でも、とても慎重に考えていかなければと、ご依頼頂いていますお仕事ではとても意識していることとしてあります。その反面、変えることが必要な部分ももちろんあって、変えることでより良くなると感じられる場合は積極的に変えていっています。
そこでの力のかけ方とか、お店全体としてのまとまりが現状以上の良さになるような仕事を少しづつ積み上げていけたらと考えています。ちょっとした変化で最大限の効果と結果をというようなアプローチかもしれません。見た目以上にとても悩むことは多かったように思います。
自分の中で作ることに納得してからは、とてもすらすらと進んだお仕事でしたね。(笑)
デザインが決まってからの悩みとして、実際にそれを作るための方法や仕上がりについての悩みは、どの仕事にもデザインをする以上はあります。より具体的な悩みです。
木目の化粧版とかで思うのですが、どうしても本物の木材ではないので安物感や偽物感といいましょうか、使用することでのメリットと引き換えに、見た目とか手触りなどの質感、使用していくことでの変化を犠牲にするものだと思っていました。その素材を好きになれない部分もどこかであったように思います。
今回の制作物を考えていく過程で、もちろん 合板などで木と塗装での仕上げも考えました。メリットとデメリットを天秤にかけた場合、半屋外の設置、閉店時には店内への移動、見た目の変化が起きないことの良さ、メンテナンスのしやすさなどを優先し、素材の質感や見た目は少し諦めて部分が仕上げ材を決めるまではありました。
素材のカタログを見ながら、ん?おかしいな。悪くないかもしれない。、
実際に仕上がりを見て、あぁめっちゃイイじゃん。って完全に食わず嫌いの食べ物を食べた時の人みたいになりました。イメージできる感覚がなかっただけなのでしょうかね?正直なところ積極的に使って使ってみたいと思ってますし、考えの幅が前向きに少し広がったことは大きな収穫です。
作り方と使い方によってベストな方法があり、それに納得できればより良いご提案になるなと改めて思うのでした。