
ひろしま「ひと・夢」未来塾を通して考えてきた、MOTONO COFFEEという事業のこと
先日、ひろしま「ひと・夢」未来塾を卒塾しました。
未来塾には、MOTONO COFFEE(焙煎所)の新たな事業の形として、これまで続けてきたデザイン事務所の活動と掛け合わせたコーヒー事業のプランで参加していました。
この事業で目指しているのは、単なるカフェやコーヒー販売ではありません。
1杯のコーヒーをきっかけに、人と人、そして人と地域との関係が生まれる場をつくることです。
コーヒーを「飲み物」ではなく「体験」として届ける
MOTONO COFFEEの中心となるのは、コーヒーのコース(2,700円)という体験型の商品です。
焙煎度や産地の異なるコーヒーの飲み比べや、抽出方法の違いによる味わいの変化、和洋菓子とのペアリング、エスプレッソを使ったラテやモクテル、アフォガートなど。少量ずつ順番に体験していくことで、コーヒーの味そのものだけでなく、その場で過ごす時間や流れ全体をひとつの体験として設計しています。
「コーヒーを飲む」から、「コーヒーをきっかけに時間を過ごす」へ。そんな価値の届け方を考えてきました。
里山の風景と、洗練されたコーヒー空間
拠点として考えているのは、安芸太田町の中山間地域にある古民家です。いわゆる「古民家カフェ」ではなく、都市的で洗練されたコーヒーバーの要素を取り入れ、圧倒的な里山の風景とのコントラストを大切にした空間を想定しています。
この場所だからこそ生まれる違和感や特別感が、人がわざわざ訪れる理由になると考えています。
未来塾で向き合った「価値」と「覚悟」
未来塾ではコーヒーのコース価格に対して「その価格は安すぎない?」という意見を多くいただきました。
自分にはなかった視点からの率直なフィードバックであり、事業としての価値の捉え方や、それをどう伝えていくかについて、改めて考え直すきっかけになりました。
また、「この活動は、誰に、どんな時間や関わり方を届けたいのか」という問いを、何度も自分に投げかける時間でもありました。
「場所に縛られない」という考え方への変化
振り返ると、「今いるこの場所でやらなければならない」、「この環境だから仕方がない」といった前提を、自分自身に課していたことにも気づきました。
未来塾での対話を通して見えてきたのは、まずは自分自身が本当に魅力的だと感じる環境で、理想とする状況を本気でつくり、そこに人を集めていくこと。
それが結果的に、この町の魅力のひとつとなり、地域との新しい関係を生み、地域振興にもつながっていくのではないかという考え方への変化でした。
すでに始まっている小さな実践
現在は、フリーコーヒー(無料試飲会)などを通して、地域の方や移住者、生産者の方々と少しずつ関係を育てています。大きなことを一気にやるのではなく、小さくスモールステップで、無理のない形で続けていくこと。それも、この事業で大切にしている考え方です。

未来塾としては一区切りですが、事業としては、まだ準備段階です。物件の検討や、体験内容のブラッシュアップなど、焦らず、一つひとつ積み重ねながら、MOTONO COFFEEとしての形を少しずつ具体化していきます。
これからも応援してもらえるような活動を続けていきたいと思います。

