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[看板の常識を変える] カッティングシートの可能性について [サインデザインの考え方まとめ]

[看板の常識を変える] カッティングシートの可能性について [サインデザインの考え方まとめ]

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サイン制作の選択肢として、比較的に安価に施工が行えるカッティングシートを利用した方法があります。

サインの種類や制作方法は、実際に設置をする場所やアピール方法によっていくつも選択肢がありますが、よりグラフィック的な視点からの検討が可能なこと、比較的サインデザインの中でも繊細な表現も可能なことから個人的には必ず検討する方法になります。高所作業が必要でない場合には頻繁に変更することも容易で、期間を限定したプロモーションも可能です(全品〇〇%OFFのようなもの)。カルプ文字看板等の立体的なサインを設置した場合には、その補足として例えば異なる場所の入り口ドア(ガラス面)にワンポイントでロゴなど記載するような際にもカッティングシートは使用しやすいように思います。

今回はサイン計画を事例として、カッティングシートの可能性から今後のサイン計画について少し検討してみたいと思います。

 

もくじ

・カッティングシートについての説明
・効果的なサインデザインについてを考えてみる。実例を交えながら考えてみる
・看板(名前)の無いお店はなぜ成立するのか
・これまでのサイン(看板)デザインの常識と非常識
・まとめ

グラフィックデザイナーの視点から今回はこういった内容で進めてみたいと思います。

 

美容院hasi-sign01

カッティングシートについて

カッティングシートについてよく分からない方もいるかと思いますが、どこかで必ずみたことはある比較的一般的なサインの制作方法になります。具体的な説明をしますと粘着剤付きの塩ビフィルムのシート素材を指定の文字やカタチ、デザインで切り取り、平らなガラス等の設置面に貼り付けることで行うサイン(看板)の施工方法になります。店舗や車体広告などにも使用されます。このシートを指定のカタチに切り出すためにはプロッターと呼ばれる切り抜き機(プリンターのインクの代わりに刃がついたような機械)を使用して文字や指定のデザイン等を切り抜きます。プロッターはプリンターを購入するように家庭用の小型のものも販売されております。切り抜いたシールを想像していただければ良いかと思います。この写真でいうと黒い部分が一枚の黒いシートから切り出されたシート(シール)の部分となります。

*カッティングシートは塩ビフィルムシートメーカーである株式会社中川ケミカルの商品名(登録商標)です。

(この投稿を行うまで知りませんでした。)

シートサインという切り抜きを行わない印刷物をシート状に加工し、そのまま貼り付けるような方法もあり、カッティングシートも含めシートサインと呼ばれる場合もありますが、ここではこの切り抜いたシートを使用した看板についてや施工方法についてを一般的に表現されるカッティングシートとして表現しております。

 

効果的なサインデザインについてを考えてみる

実例としてカッティングシートを利用したデザインからの考察として

サインを設置する意味についてを考えますと、まずは目立つこと、アピールすることであり情報を伝えること、認知してもらうこと、印象に残すことから繰り返しその情報をふとしたタイミングで思い出していただけるような状況を作ることが重要なように感じております。情報に気づいてもらうことで例えばそのお店への正確な誘導をするような目的であったり、サービスや商品の認知から購買につなげるというような役割も大きいように感じております。反面、公(屋外)の対象としない方に対しても分け隔てなくアピールすることにもなるため、上記のようなことを重要視するあまり客観的にそれを見た場合に、内容によっては不快に感じてしまう方がいるかもしれません。それは景観的にはどうか、あまりに宣伝色が強くなってしまうことで逆に求めている結果や状況とは異なった間違った印象として伝わってしまわないかなど、出来るだけ慎重に検討していかなければなりません。

ブランディングという面で見ても伝えたい本質の部分がどのようなことなのかを明確にすること。実際にそれをどう表現し伝えられるかについて、可能性を含めた検討していかなければなりません。効果的なサインデザインについてもブランディングと同様で分かりやすく重要な1つだけに絞ることが大切であると考えております。

 

具体的な実例を交えながら考えてみる

写真は美容室hasi(ハシ)さんのカッティングシートサインの取り付け工事の様子です。

店舗周辺には美容室がとても多いエリアになるのですが、そのような環境でどう初回のお客さんの選択肢として選ばれるお店となりアピールすること、他店との差異を伝える上でもサインについてはとても重要になるかと考えました。もちろんこれまでのお客さんに対しては入店までの分かりやすい目印となるようなことは大前提として検討しなくてはなりません。

一般的なお店であればある程度は通り(屋外)から室内の様子が伝わることが予想されます。例えばお店の混み具合やカットやカラー中の様子から伝わる、そもそもここは美容室であるというような情報はたとえサインが無くてもある程度は成立し、サインについてはそれを補足するプロモーション要素として考えて良いかとも思います。店舗ファサードに取り付けられるようなサインの場合(お店と看板が近い場合)は特に必要最低限の情報として提示るすようなもので良いように思います。

 

極端な話しかもしれませんが、初回のお客さんが行う美容室選びとその方法についてを考えてみますと、間違いなくウェブという選択肢があります。具体例を挙げますとホットペッパービューティー等から美容室の存在を知り店内の様子を、写真(カットモデルさん)などから具体的な髪型であったりカラー、ヘアアレンジなどの技術等から担当者に対しての興味を持ち、お店を選択し来店するような流れの場合がほとんどのように思います。またそのお店や担当者(技術)が気に入った場合にはそのお店を継続して来店する方もいます。少ないかもしれませんが逆に毎回違うお店を選ぶような特定のお店を決めない方。ウェブ経由の割引や特典を利用して毎回違うお店を選ぶという方もいるように思います。近隣で生活している方などは店舗への興味から入店というような流れももちろんあるかと思います。

 

このお店のオープン前までは周辺に美容院が多いことで他店とのお客さんの取り合いというような状況が果たして起きないかというようなことを考えていたのですが、最近では逆に美容室が集まるエリアとして周辺地域の方々に認識されること、エリア全体として盛り上がっていくことをとてもポジティブな宣伝要素と捉えるようになりました。サインデザインの視点から1店舗ごとで考えるのでなく、エリア全体として考えてみるという広い視点から新たな可能性も生まれるようにも感じます。この提案ではそう行った状況の中、美容室が集まるエリアであることも場所のポテンシャルを最大限利用した必要最低限のアピールを行うこと、そのアピール方法についても一般的ではない方法からの違和感をコンセプトにまずは視覚的な情報に加え、言葉(音のような)の情報から強い記憶と、興味関心からお店への興味へ繋げ、美容室選びの選択肢としてリピートしていただくことを意識しました。

 

 

既存袖看板上下2段(裏表で計4面)に対して、下段1面では店舗名ロゴと電話番号(両面)、上面にはカタカナ表記の「ビヨウシツ」を3段記載しております。漢字表記は避け、周辺との差異としてカタカナ表記(裏面はアルファベット)はそれだけで珍しく意識され、強く認知されるようにとアプローチを行いました。言葉を3回繰り返すようなデザインから、思わず口に出したくなるようなリズムと繰り返すことで記憶に残るサインとして、お店の雰囲気にも寄り添うデザインの可能性を検討してみました。

提案としてはこの場所に美容室があるという印象をつくるために、面ごとにカタカナとアルファベットで少し読みづらくすること、また面ごとの印象も変え、読むことで生まれる言葉のリズムを作るというような方法から認識してもらえるようなものを考えました。

 

 

 

提案の中には美容室から始まる関係しそうな3つのリズムからタチツテトの案や、オーナーの名前(タナカさん)案などもありました。

裏表でさらに印象を変えるため言葉の数を3つと1つの組み合わせや、横向きと縦向きというような多くのバリエーションの中からの組み合わせで生まれる、2面で完成するというデザインとしてご提案させていただきました。より言葉の違和感から意味があるようで無いような、少し考えてしまうような状況を作ることで強く意識させること、記憶に定着させることを目的とした案になります。

どう一緒に楽しむかをデザインする。そんなことも感じました。

 

 

 

特定の状況の中で成立するようなサインの在り方について、その可能性から生まれる付加価値というものもあるように思います。

サイン計画のセオリーのようなものがあるとしたなら、それはどのような状況でも成立するのか、職種を問わず当てはまる方法になるのかという疑問を感じます。セオリーや当たり前を知った上でそれを疑うことから見えてくる、相手の状況に合わせた1つひとつの可能性を提示することが私の役割です。

 

看板(名前)の無いお店はなぜ成立するのか

お店の店名(表札)すらなくても成立してしまうような場合や状況のお店もあります。サインが無い状況では一体どのように成立しているのかについて考えてみたいと思います。

実際にそのようなお店は存在します。外観からは店内の状況すら知り得ない、その場所がそもそもお店だと周囲には伝わっていない、周辺の方からは多分そこはお店ではあるらしいが何のお店か分からない(和食?洋食?フレンチ?)というような場合もあります。このような状況ではお店としてどのように成立しているのかを想像してみてください。

例えばそのお店は知る人ぞ知る隠れ家的なコンセプトのお店で穴場的なスポットのような可能性もありますよね。(あったとしましょう)他のお店とは根本的に違うことで逆に目立つこと(アピールすること)ができればそれは1つのお店を象徴するようなサインとして成立しています。数多くあるお店の中で他とは違うことで認知される、目立っていることそのものがそのお店らしいサインであるというような考え方。隠れ家的なコンセプトであれば看板(表札)をつける必要がそもそもないような場合。

有名な飲食店で味には絶対の自信があり、そもそも席数は少なく、何年も予約待ちでなかなか食事できないようなお店の場合を考えてみますと、店名すらアピールする必要性もなく、その状況を作り出すには相当難しいことではありますが噂や興味で人から人へと情報は流れていきます。人から紹介がないとそもそも入店できないというようなお店に使いかもしれません。

実際に表札のようなものすら掲げないことでよりそのお店らしいブランディングにもなります。この店名すらないお店が例えば入り口脇に本日のお品書きというようなサインを設置していた場合にどういった状況になってしまうかを考えてみてください。入り口脇にメニュー表を設置するようなお店も一般的には多く、そういったサインは1つの常識的なこと、当たり前で普通なこととして行われるアピール方法かと思います。

これを上記の名前すらないお店が行った場合に、予約をして何年も待ったお客さんだけが入店できるお店なのにも関わらず、そこをたまたま通りかかった方に対してアピールをしてしまったことで飲食可能と勘違いしてしまい、結果としてお断りすることになってしまいます。

店側からしたら予約を継続して増やし新規のお客を確保することが目指すべきことではあります。メニュー表を出すことで、せめてどのようなお店なのかをアピールしたいと考えた場合にそのアピール方法を間違えると、これから先のお客さまになるであろう方が離れてしまう可能性すら生まれてしまいます。アピールする必要性も全く無いようにも思いますが、その予約が続いている状況が生涯続く可能性も保証されない。どこかでアピールする必要性はあるようにも感じます。その方法を間違わないようにしなくてはなりません。

 

それぞれのお店の状況やコンセプトに合わせたプロモーションの方法は必ずあって、それを正確に見極め提案することが大切です。

宣伝として新聞の折り込み広告などを出した場合、お店のコンセプトとそもそもずれていることは容易に想像できるかと思います。広告を出すというような場合でも同様に考えなくてはなりません。

 

これまでのサイン(看板)デザインの常識と非常識

社名の看板を作りたい。自社ビルだからデザインなども好きにすればいいと思う方もいます。建物の壁面を広告スペースとして貸し出して利益を出すようなことを考える方もいらっしゃいます。

ただ実際に広告を掲載したいと考えている相手がどういった業種の方でどのような広告なのか。内容は?デザインの色味は?というようなある程度掲載可能なものをあらかじめ限定しなくては、最悪建物そのものの価値を下げる可能性だってあります。賃貸で貸し出しているような場合には入居者がそのサインがあることでどう感じるかということまで意識しなくてはいけません。目先の利益重視で全く関係ないと考えるのか、これは極端な話ではなくオーナー側も今後そういった視点はますます意識していかなければならないようにも感じます。

何も考えずサインを作ることはどのようなデメリットが生じる可能性をまずは様々な視点から考えなくてはいけません。看板の位置や大きさ、色味など街や地域ごとに合わせ、景観的な視点からも方などからも最低限検討しなくてはなりません。

 

これまで一般的に行われてきたサインデザインについては全て正解かと言われるとそうでない可能性もあるように感じます。

都市部では広告というなの主張に対してより強い主張をすることの悪循環で、それはある種それが日本らしい風景にもなってしまっているようにも感じます。それが必ずしも悪いとは思いませんが特に観光地など景観が魅力となるような場ではある程度のルールは今後も必要で、どう景観と寄り添いながらサインでのアピールについて可能性があるのかを検討していかなければなりません。

 

まとめ

今後のサイン計画についてを考えてみますと、サインを設置することでその地域の状況は変わり、それによって景観は確実に変わってしまうことを前提として検討をしなくてはならないこと。とてもネガティブなことも含まれる、良い効果だけではなく悪い効果も生み出してしまう可能性があることを伝えていかなくてはならないと思います。もちろんサインデザインの依頼を受ければそれに答えなくてはなりません。

依頼として社名の看板を設置したいというような場合でも、看板を作ることが目的ではなく会社のことを周辺地域の人に知ってほしい、どのような事業内容なのかを伝えたいというような、例えばその依頼の裏の部分といいましょうか、本質的な部分をしっかりとヒアリングから引き出せるように、本来の目的はただ看板を付けたいのではないということを制作する側もちゃんと理解したうえで協力をする必要があるように思います。

様々な視点から少しでも景観的に良いデザインが、その場所にふわさしいデザインが地域全体の魅力にも価値にもなるように慎重に検討していけたらと思います。これからのサインについて少しでも可能性を提示し続けていけたらと考えております。

グリーンポイントデザイン | 広島のブランディングと撮影ができるデザイン事務所
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